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Daily life of TAKEMATSU

生ごみの飼料化施設

昨日、生ごみの飼料化施設の視察に行ってきました。

事業として稼働しはじめるのはこの7月中旬の予定ということで、昨日、見せていただいたのは、その試運転の状況ということになります。

新品の機械に、実際にレストランやスーパーから排出された生ごみを投入し、出来上がった飼料の成分や機械の微調整など、最終チェックに遺漏がないようにと、点検が繰り返されていました。

生ごみの飼料化施設_b0154036_1939798.jpg

製造工程を簡単に説明すると・・

(1) 分別された生ごみの受け入れ
(2) 重さを計量する
(3) ラップなど梱包された品物はラップと原料となる生ごみを分ける分別機に投入
(4) 6基の原料ホッパー(※)に搬送する
(5) 原料ホッパーから必要量を、乾燥機(2基)に投入
(6) 乾燥された状態での不純物除去のために篩機へ
(7) 脂分をしぼるために脱脂機へ
(8) 製品精製機を通した後、生ごみからつくられた飼料の完成

こうしてつくられた飼料の供給先は養豚農家となります。

もちろん、これまでも、生ごみを乾燥させ飼料として養豚農家に提供する施設はありましたが、こちらの特徴はなんといっても、生ごみから飼料を生産するラインの中に、いろいろな栄養分を自働調整できる「オンライン自動分析装置」が装備されていることです。

安全で、良品質の豚肉をつくるためには、飼料に含まれる栄養分の配合は重要なことですが、豚の飼育段階に合わせて、養豚農家が要求する配合飼料を自動的につくるラインが組み込まれている施設は、生ごみから飼料をつくる施設として、こちらが初めてだと思います。

生ごみの飼料化施設_b0154036_19314443.jpgそして、原料ホッパーが6基も設置されている・・・
一口に生ごみと言っても、この施設だけに限らず運ばれてくる生ごみは「野菜類が多い」「ごはんだけ」「パスタが混ざっている」など、その状態もさまざまです。栄養分の配合基準を満たすため、自動分析装置の能力を最大に発揮させられるよう、生ごみの組成分ごとに原料ホッパーを使い分けているわけです。

こうした工夫で、栄養分の配合割合を一定の基準値にし、安定した品質の飼料を提供できることになります。


(言わば、「生ごみからつくる飼料のレシピづくり」が可能な施設ということになります)

あと一ケ月後には、日々、生ごみが運ばれてくることになります。
視察に対応してくださった方も、実際に営業稼働させてみないとわからない部分もあるとおっしゃっていましたが、この施設からつくりだされる飼料こそが「これからの基準」になれるよう頑張りたいと力強くおっしゃられていたのが、とても印象的でした。

※ 原料ホッパー
  生ごみを一時的に蓄え、乾燥機に対して必要量を搬出する装置のこと。
  下側が漏斗のように細くなっていて、そこに取り付けた蓋を開閉し、必要量を落下させる単純な構造の箱。
by takematsu-design | 2009-06-16 23:05 | days